住宅建築家が語る本音トークのコラム
 
このページでは、私、宮崎が家創りに関係する事を本音で書くコラムです。
表立って言えない事や業界の仕組みや裏話などをざっくばらんにお教えします。
家創りの参考になるかならないかの判断は、読んだ’あなた’にお任せします。では、どうぞ!
 
その1   「家はいつ建てるのがいいのでしょう?
 このようなお話を受ける事があります。実に難しい質問ですが・・・・
 建築業界でも昨年春頃より、資材の高騰が始まっています。これは、たぶんに原油高の影響によるものなのです。例えば、建材。国内の建材は、ベニヤや
MDFなどの基材に柄を印刷したシートなどを張っています。ベニヤを接着する接着剤や基材を作るにも原油が必要だし、機械にもオイルが必要ですよね、多分、原油高騰以外の理由もあるとは思います。
 建材だけではありません、衛生陶器などの設備機器、サッシ、木材など全ての資材が値上がりしました。最近では、内装のクロスも。物によって上がり巾は違いますが、
520%ほどのUPです。
 又、金利も上がっています。預金金利では、
0.5%も付かないのに、貸すほうになると一昨年のちょうど倍の金利になっています。家を建てる方の多く(ほとんど)は、住宅ローンを組みますよね、例えば年収600万円の人が3,000万円の住宅ローンを12ヶ月均等(ボーナス無し)で30年組むと、返済は元金の約1.55倍の4670円ほどになり、そのほかにも諸経費がかかります。

 何だか嫌な事ばかりで、建築しない方がいいような感じですね。

 嫌ついでにもう一つ。住宅ローン減税です。
この大きな減税制度も今年(平成
20年)の1231日をもって終了します。この減税は住宅取得者にとっては、かなり大きな減税だったので終了してしまうのが残念ですし、今後の継続を是非お願いしたいものです。これに付随して印紙税の軽減や不動産取得税や登録免許税の軽減処置も終了する予定です。
 とまあ、住宅建築を取り巻く情勢は厳しく、とりわけ注文建築は大打撃の状態です。マンション業界でも、ついに需要と供給のバランスが崩れ価格崩壊、中小ゼネコンの破綻、管理会社の破産などの現象が出始め、大変な事になっています。
 悪いことばかり話をしていてもしょうがありません。必要な物は必要なのです。そこで、今現在「家を建てたい」と考えている方々の理由は何なのでしょう?

●現在の住まいが手狭になった?
●家が古くなった?
●今住んでいる住宅の住環境が悪い? ・・・・・・etc

おそらく、その様な理由などで考え、上記のような要因で「もうや〜めた!」なんて事にはならないと思います。私の経験則では、多くのお客様は廻りの情勢に囚われず家創りを行います。
これは結婚と同じで、ある程度‘勢い’です。しかし、結婚は離婚で契約解消できますが、多額の住宅ローンで建てた家は「やめた!」と簡単にいえません。ですから、家創りに最適な時期は「あなたにとって必要な時期が建てどき」という事になり、‘思い立ったが吉日’のようです。
私たちのお客様でも、「必要な時期での‘勢い’」で建築される方々が多いように見受けられます。   そしてもう一つ。値上がりした物は、二度と値下がりしないのが世の常なんです。
 
その2   「坪単価のマジック?」


 皆さんは、家を建築する際の金額の目安に【坪単価】を見ますよね。
しかし、この坪単価はイコール‘仕様の内容’でもあるわけですので簡単に評価してはいけません。
まあ、そもそも坪単価ほどいい加減な目安は無く、仕様によってどんどん変化してゆくものなのです。
その割り出しの方法としては、
1)過去の物件の平均本体建築費を標準的な坪数に換算して割りだす。
2)工種別に坪単価割り出し、全ての工種で足してゆく。などが考えられます。
又、逆の手立てとして「坪単価を設定して各工種の比率を割り出し、それに合う仕様を決定する」という方法もあります。住宅メーカーなどは、この方法で確定している事が多いようです。
当然、坪単価は安いほうが好まれます。見た目にも高いより安い方がいいのは世の常ですから。

 しかし、ここが問題なのです。坪単価の基は‘仕様’です。住宅メーカーなどのように安い坪単価を設定すると自ら‘安い素材’を選定しなければなりません。最初から○マホームなどのように‘性能なんて二の次で、家が出来ればいい’と私たちも考えれば坪28.5万円でも出来ない事はないのかもしれませんが、○マホームでも実際はオプション・オプションの連続で実質単価は50万円から60万円になっているのが現状です。

 私たちの標準的な仕様での坪単価は50万円〜(40坪)です。しかも最初の仕様は較べるまでもありません。なのに最終的には、○マホームとなんら変わらない坪単価で比較にならない住宅が出来上がるのです。これは、怖い事です。

 皆さんは、原価率なる言葉をご存知ですか?その商品に実際かかっている金額を示します。
私たちの住宅は、HPでも紹介しているように工事原価に私たち会社の経費20%を載せさせて頂いています。つまり原価が坪単価50万円となり、50万円の仕様になっているということです。

 ところが、住宅メーカーなどは同じ坪単価
50万円でも‘展示場経費’‘広告費’‘営業マンの給料’など、しいては‘本社経費’などの全ての経費を比率に換算して載せています。その上、設計は外注、工事は下請けになるわけです。これらが含まれて50万円+αなのですから、実際の工事原価は、50%以下になります。
 坪単価が
30万円や40万円なんて所は、想像すら出来ません。

 
例えば、あなたが2,500万円の住宅を住宅メーカーに注文すると、実際に工事に使われるお金は良くて1,250万円というわけです。ですから、ここでの実際の仕様は坪25万円相当の住宅ということなのです。これが、誰も明かさない(最近ではインターナット上では、随分と明かされていますが)坪単価のマジックです。これでもあなたは、住宅メーカーに無駄金をつぎ込みますか?

その3   「自然素材やムク材」

最近の住宅のトレンドは、‘自然素材とムク材’そして‘梁などの現し仕様’です。

自然素材とは、まさに自然界にあるものが原料になっていて代表的な物に、珪藻土や漆喰壁などがあります。又、ムク材は木質の天然素材です。代表的な物では、フローリングや天井などに張る板などがあります。

まず、自然素材と呼ばれる物はピンからキリまであるという事を知っておきましょう。

例えば珪藻土や漆喰。

吸湿性能があり健康住宅といっている住宅では必ず使われています。

元々、珪藻土とは藻類の一種である珪藻の殻の化石よりなる堆積物(堆積岩)です。
水分や油分を大量に保持する事が出来るので、土壌改良や流出した油を回収するために用いる事が多い素材です。住宅では、昔からその保湿性や吸湿性を利用して壁に塗られていたそうです。

同じく漆喰も昔から使用されてきた建築素材です。

原料は、石灰に麻の原料を混ぜ海草などから得られるものを接着剤として水を加え完成します。
こちらも防火性や調湿性に優れ、外壁などに多く用いられてきました。

調湿性能では、珪藻土よりもむしろ漆喰に分があるようです。

しかし、ここからが問題。

漆喰などでは製品に優劣はあまりないようですが、珪藻土は違います。
価格によって含有量に違いが出るからです。もちろん価格の安いものは調湿性能の多くは望めません。しかし、内容などは言わないのがこの業界の悪しき点。

何でもかんでも‘珪藻土’と一括りにしてしまいます。

以前、他の会社でリフォームをするというお客様とお話をした際に「珪藻土を塗るんです」とお話されたので、「おいくら位の珪藻土を塗るのですか?」とお聞きしたところ、「1u5,000円くらいらしいです」とお答えになったので「それはほとんど珪藻土が入っていない商品だと思いますよ」とお話したところ、「種類があるんですか?」と聞かれました。

そうです!そのリフォーム会社では種類によって含有量が違う事も価格帯にバラツキがあることも教えていなかったのです。リフォームの実態はそんなものなのかも知れません。
そのお客様は「聞いてよかった。決めてしまったのですが早速聞いてみます」といって帰られました。

自然素材は、私自身も良いものだと思います。

しかし本物は高くて当たり前なのです。

そして最大の問題は、調湿性能がほとんどの人が感じる事(比較する事)は出来ないという事です。

自然素材を使用する場合は、業者の言いなりにならず、何故自然素材を使いたいのか?それによりどのような効果を得たいのか?という目的意識を持ってご自分で調べ、業者に伝える事がベストです。

リフォーム業者や町場の大工さんほど無知なプロはいませんから。

さて次は、ムク材。

一口にムク材といっても素材だけでも木の種類分だけあります。
しかも同じ木材でも産地によって特性が変わります。大きく分けると北洋材と南洋材になります。

私たちの住宅でも1階などの床材はムク材を使用していますが、私のこだわりは北洋材です。

南洋材の多くは南アジア産です。
南アジアですから、温暖、いや暑い地域の木という事です。
同じ材料でも北洋材とでは、木の硬さが違います。容易にキズの付く床はお好きですか?

日本人であるあなたは「いやです」と答えるはずです。そして、私も同じ答えです。

北洋材は、寒い地域の木ですから表皮が硬くキズなどには特に強いという特徴があります。

しかし、それ以前にムク材という事は‘木が生きているわけです’、曲がったり反ったり・色が変わったりという自然現象が起きる事を念頭に於いて採用するべきです。

多くの日本人は、隙間が開いたりするとクレームをつける方が多くいます。

生きているわけですから、当たり前の現象なのですが現状ではそのような事を良く耳にします。
建てる側も、たぶん説明をしていなかったのでしょうね。

もちろん製品事態でも細工をして曲がりや反りを軽減できるようにしていますが、施工段階でも最善の施工をしているはずです。(?)

国内の合板フロアよりも最低で1.5倍は高い商材です。
木の質や特徴を良く知った上で採用するべきでしょう。

最後にお手入れです。

ムク材は、自然塗料や自然ワックスを塗る事しか出来ません。

簡単なワックス掛けというわけには行かないわけで、お手入れも半年に一度は自然塗料や自然ワックスを塗らないと当初の状態を保てません。

私たちは、お施主様にお手入れが出来るか?という事もお聞きして採用をしています。

そうでないと、経年変化や多少の空き、床鳴りがクレームに結びつくからで、私たちとは関係のないところでせっかくの信頼を裏切る結果を招きたくないからです。

以上のように、素材の良いところ悪いところをきちんと把握し、説明が出来なければ建築のプロとしては失格です。時代の流れや一時の流行に流されてはいけません。

前にも書いたように「何故必要なのか?」「それによりどのような効果が得たいのか?」という事を明確にした上で選定・採用するようにしましょう。

今回は、非常に長い文章になりました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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